自己犠牲でドジっ娘なおすすめアニメランキング 1

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75.6 1 自己犠牲でドジっ娘なアニメランキング1位
負けヒロインが多すぎる!(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (361)
972人が棚に入れました
第15回 小学館ライトノベル大賞《ガガガ賞》受賞作、待望のTVアニメ化!想い人の恋人の座を勝ち取れなかった女の子——「負けヒロイン」。食いしん坊な幼なじみ系ヒロイン・八奈見杏菜。元気いっぱいのスポーツ系ヒロイン・焼塩檸檬。人見知りの小動物系ヒロイン・小鞠知花。ちょっと残念な負けヒロイン——マケインたちに絡まれる、新感覚・はちゃめちゃ敗走系青春ストーリーがここに幕を開ける!負けて輝け、マケインたち!
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

マケイン(負けヒロイン)だからこそ描ける物語がある

【レビューNo.150】(初回登録:2024/11/3)
ラノベ原作で2024年作品。全12話。
節目のレビュー150本目は前期2024夏アニメから覇権のコレでいこうかと


(ストーリー)
主人公・温水和彦は、ラノベ好きの目立たない”モブキャラ”的存在。
しかし偶然クラスの八奈見杏菜がフラれている現場を目撃してしまい、
以降関わりをもつことに。
そしてその後も焼塩檸檬、小鞠知花といったマケイン(負けヒロイン)
の失恋シーンに遭遇することになり・・・


(評 価)
・サブタイから飛ばしてくるマケインたちの見事な負けっぷり
 本作は通常のラブコメ作品とは異なり、フラれるマケインたちの見事
 な負けっぷりを「モブキャラ主人公」の温水の視点から描いていくと
 いう、新感覚のラブコメになります。
 この辺りはサブタイから飛ばしてきて
 ・食いしん坊な幼なじみ系ヒロイン・八奈見杏菜の負け戦
  「プロ幼馴染 八奈見杏菜の負けっぷり」
 ・元気いっぱいのスポーツ系ヒロイン・焼塩檸檬の負け戦
  「約束された敗北を君に」
 ・人見知りの小動物系ヒロイン・小鞠知花の負け戦
  「戦う前から負けている」
 個性的なマケインたちが派手に転ぶ様を序盤から畳みかけてくるという・・・

 特に第1話の掴みから秀逸で
 {netabare}・ファミレスで自分の好きな幼馴染の背中を押す八奈見さん
  「いい娘やなあ」と思ったのも束の間
 ・次のシーンで彼の残していったストローに口をつけお楽しみw
  それを温水にみられていたのに気づくと・・・
 一気に残念ヒロインに急降下www
 これで「かなりコメディよりの作品を展開していくのか」と方向性を
 明確に提示してきて、期待感を煽ってくるんですよね。
 その後も
 「女の子は2種類に分けられるの・・・”幼馴染”か”泥棒猫”か。」
 と八奈見さんは絶好調!
 最後は映像美鮮やかな屋上での八奈見さんの失恋語りで綺麗に締めるの
 かと思いきや
 「ラストは満面の笑みでちくわを齧って引きちぎる」
 というセンスが絶妙!!{/netabare}

 八奈見さんについてはいつも何か食ってる感じで、公式の方でも
 「八奈見杏菜カロリーメーター」
 とイジられる始末ですね。


・登場人物は皆おかしい?!最後まで面白く完走
 個人的に第1話を視聴して感じたのは
 「マケインの見事な負けっぷりはいいとして、出オチで終わらないか?」
 という懸念でした。
 しかしその後もストーリーも失恋と向き合おうとしたり、今までの自分を
 変えようとしたりとちゃんと面白いんですよね。
 「マケインだからこそ描ける物語がある!」って感じで。
 温水もついに「傍観者のモブキャラから卒業か?!」と思ったら肩透かし
 の連続だし。

 また3人のマケインもさることながら勝ち組ヒロインのみせ方なども◎
 ・八奈見さんの恋敵・姫宮華恋
  {netabare}容姿が良い上に胸も大きい正ヒロイン感満載の美少女
  温水いわく八奈見さんを「4K」だとすれば、彼女は「8K」の眩しさだと
  八奈見さんは以降の温水発言もあり、ネット上では「4Kラッコ」と命名
  「豊橋の珍獣」扱いにw
  (華恋は自称親友・八奈見さんから「乳牛女」扱いw){/netabare}
 ・檸檬の恋敵・朝雲千早
  {netabare}おっとりとした性格とは裏腹にストーカー気質な一面も
  おでこが特徴的なその容姿からネット民には「汚い高木さん」と呼ばれ
  ることもw{/netabare}
 ・小鞠の恋敵・月之木古都
  {netabare}面倒のいい姉御肌だが、BL小説の執筆やBLのドラマCDをカーステで流し
  たりと腐ってやがるw{/netabare}
 ネット民の心を掴むキャッチーな描き方がホント上手い!
 また彼女達も恋を成就したとはいえ、(マケインに対して等)いろいろ思う
 ところがあるようで・・・
 そういうところも上手く拾っていると思いますし。

 この他にも重度のブラコン・温水佳樹だったり生徒会役員や先生に至るまで
 登場人物は皆一癖も二癖もあり、作品を盛り上げてくれたという印象ですね。

 
原作は「第15回小学館ライトノベル大賞ガガガ賞受賞作」のようで満を持して
のアニメ化でしょうか。
作画も背景の映像美や八奈見さんのコロコロ変わる表情だったり、水道の表現
だったり、その他細やかなアニメ演出などもよく出来ていたと思います。
声優陣では小鞠の内向的な性格を表す、寺澤百花さんのドモリ口調の演技が
ホント上手かったと思いますし。
三角関係を描いた作品なのでともすれば険悪なムードになりそうですが、それ
をカラリとしたコメディ展開であったり、エモさの残る演出だったりでみせる
高いレベルで創られたラブコメ作品だったと思います。
またセリフ回しとかにも原作者の非凡なセンスを感じましたし。


OP『つよがるガール/ぼっちぼろまる feat. もっさ(ネクライトーキー)』
・マケインを前向きに唄った、作品を盛り上げた良曲
ED『LOVE2000/八奈見杏菜』
  『CRAZY FOR YOU/焼塩檸檬』
  『feel my soul/小鞠知花』
・全てマケインキャラによるカバーだが選曲が秀逸


(追 記)
八奈見さんの
「コンサルタント・・・それってコンサルってことだよね?」
ってセリフにネット民から
「進次郎構文かよ!」
とツッコミが入ったのは(総裁選直前の)タイミングもピッタリでめっちゃ
笑ったw

投稿 : 2025/04/26
♥ : 26
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

そういうとこだよ、温水君 by 八奈見杏菜

負けヒロインにスポットを当てた他愛もないアニメ。
負けヒロインは三人、八奈見杏菜、焼塩檸檬、小鞠知花。
どいつもこいつも個性的なキャラだ。
そして、勝ちヒロインも勝ちヒーローも変わってる。

しかし、端的に言ってモブヒーロー温水和彦が再重要キャラだ。
なぜならば、全方位にツッコミを入れる様はこのラブコメには欠かせない。
加えて、ストーカー妹、はちゃめちゃ先生、ゾンビ先輩など、変キャラには困らない。
果たして、これほど楽しい変わり種ラブコメがこれまであっただろうか。

キャラの魅力が半端ない作品の中で燦然と輝くのは、八奈見杏菜。
超かわいいにもかかわらず、超三枚目。
あんな女は見たことない。
{netabare}豊橋名物ちくわ{/netabare}を満面の笑みで食いちぎる様は、芸術的ともいえる。

女の子は二種類に分けられるの、{netabare}幼馴染か泥棒猫。{/netabare}
その自分勝手な杏菜格言は、まさに名言ともいえよう。
例えそれが負けヒロインの遠吠えとはいえ。

各負けヒロインにスポットが当たった素直なストーリー。
哀れさがコミカルさを醸し出し、シュールに突き抜ける。
そんな愛すべき負けヒロインの姿が生々しい。
あっさり、終了? それはないでしょう、たぶん。

舞台である豊橋は、名古屋在住時に良く仕事で通ったもの。
駅前や街並みが少々垢ぬけないのも愛すべきポイント。
路面電車のある風景は魅力的で、どこか懐かしい。

投稿 : 2025/04/26
♥ : 23
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

マケインで 光輝け 豊橋市

恋愛ラブコメでメインヒロインに敗北する“負けヒロイン(マケイン)”を題材にした、
同名ライトノベル(未読)の連続アニメ化作品(全12話)

【物語 4.0点】
原作者の雨森 たきび氏は中々、異色の経歴のラノベ作家。
大学時代、ラノベ新人賞に数回応募するも1次選考敗退……。
その後、事務職に就職し、執筆活動からは離れていたが、
40代前半に入り、仕事にも余裕が出てきて。
体力や頭の回転があるうちに「今できることをやりたい」と、
応募再挑戦した内の一作である本原作で受賞してデビュー。
そして今回のアニメ化に至る(※1)

しばしば“ロスジェネ”と揶揄されたりもするこの世代。
敗北、喪失の経験と取り扱いならお手の物。
何者にもなれなかったと自嘲する声が多いのも同世代の特徴ですが。
この原作者エピソードを見ると、40代から大谷翔平選手を目指すのは流石に無理にしても、
敗北も含めた、これまでの人生を伏線にして、挑戦や再起を志せば、
何某かにはなれるのだなと考えさせられます。

本作は作者が数年前アニメで見かけた青髪の“負けヒロイン”が、
恋愛に負け続けながらも、自分の気持ちに向き合いながら、もがく姿に感動したことから着想を得ているとのことで(※2)

本作には青髪の八奈見さんを始め三人のメイン“マケイン”が登場しますが、
それぞれ三者三様の身の処し方、想いの伝え方で玉砕する見事な負けっぷりで、
心を揺さぶって来ます。

この“マケイン”たち、心残りがないように自分の想いを吐き出しているからか、
恋愛に負けても、経験をいかに糧にできるかという人生においては、
むしろ勝ってるのではと感じます。
逆に恋愛の勝者であるはずの一部“勝ちヒロイン”の方が、
刹那の恋愛勝ちポジションを失う不安を抱えて、思い詰めている感すらあります。

人生では負けより価値がない不戦敗ばかりの自分が言うのもおこがましいですが(苦笑)
原作者の来歴含めて、瞬間負けて強くなった人間こそが人生では勝つという教訓を意識させられたラブコメ作品でした。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・A-1 Pictures

舞台となった作者出身地の愛知県・豊橋市。
現在私が暮らす名古屋から日帰り出来るということで、
この夏、聖地巡礼に行って参りました。
(近いと言っても片道80キロはあります。
返す返す尾張と三河を同県にしたのって、まぁまぁ酔狂な廃藩置県です)

尾張・名古屋城、西三河・岡崎城などに比べて、
インバウンドまで見込める観光資源には乏しい印象だった東三河・豊橋市。
一応、豊橋にも吉田城の櫓くらいは残っていますが、観光地としては正直……。

それだけに路面を走るヤマサちくわのラッピング電車や、パン生菓子のボン.千賀など、
日常風景から魅力的な舞台を切り取って来るロケハンと、
それらを再現する背景美術の仕事には感銘を受け、
気が付けば、この夏もクソ暑かったのに自然と豊橋に足が向いていました。

作中でも巡礼でも特に心に残ったのは、主人公たち高校生の登下校シーンの舞台。
リアルでは愛知大学前駅のホーム。
キャンパスの森をバックにした通学シーンは最高に絵になります。


これらの舞台で躍動するキャラクターの作画も、
通常ワンパターンの影の付け方しかない所、場面に合わせて複数パターン使い分けて心情表現。

さらには、プロップデザイン担当者に「料理作監」を特命し描き込み、食いしん坊の八奈見さんの演出をサポート。

そして第九話。サブの勝ちヒロインのために特設された“姫宮華恋バストコーディネーター”による狂気のプルプル感w

作画コスト度返しで、クオリティを追求するこだわりが半端なかったです。


主人公たちが通う“県立時習館高校”の女子制服。
襟から縦に4つ連なったリボンも、キャラ個性出しに寄与していました。
メインの“マケイン”たちばかりでなく、
バックのモブの女生徒に至るまで一人ひとりちゃんとリボンカラーが異なっている辺りが、本作の妥協なき所。
この作品“マケイン”だけでなくモブキャラも輝いていました。

本作が初監督だという北村 翔太郎氏。今後の活動に注目です。


【キャラ 4.5点】
青髪の“プロ”幼馴染・八奈見杏菜。
褐色ショートヘアの陸上部・焼塩檸檬。
片目が隠れた小心文芸部の小鞠知花。

ビジュアルからして既に「戦う前から負けている」w“マケイン”たち。
焼塩檸檬に至っては名前からして、
平安貴族が藻塩焼いて袖を濡らす失恋歌でも詠みそうな凄まじい“マケイン”名。
私も思わずレビュタイ五七五にしちゃいましたがw


この夏アニメはラブコメが渋滞気味で、
本作も実は初回視聴は後回しになっていた私。

目が覚めたのが、初回放送後ネット界隈で出回った、
校舎屋上にて、やまさチクワをくわえる“マケイン” 八奈見さんの衝撃カット。

令和時代に獅志丸(『忍者ハットリくん』の伊賀忍犬。古くてスイマセンw)以来のちくわキャラ爆誕か!?
と色めき立ち視聴しだした次第。
(実際には、八奈見さん、ちくわ喰ってたの初回だけでしたが)

食いしん坊の八奈見さんが、お弁当などを持参して、
主人公男子の温水くんへの借りを返済していくネタも、
視聴動機を持続させる“連載ネタ”として有効でしたね。


“連載ネタ”と言えば、小鞠と温水の水道水談義。
私も小学生の頃、あの洗面台は端っこの上向き蛇口が一番冷えていて旨いと蛇口による味の違いを知る人間であった栄華?を思い出し懐かしくなりましたがw
流石に、時間帯や階層まで計算に入れて水分補給はしていませんでしたw

公式HPも“八奈見杏奈カロリーメーター”や“マケイン水道探索”を随時更新するなど、ノリノリでしたねw


温水くんと“マケイン”たちの今後については、
“正妻感”は圧倒的に八奈見さんで、肉体的に濃厚接触していたのは{netabare} 用具室の汗だく{/netabare} 檸檬ですが。
掛け合いに将来の夫婦感出ていたのは小鞠だった印象。
小鞠ちゃんの温水に対してだけ毒舌が先鋭化する姿はある意味アットホームでしたし。

ですが、これは結婚相手ではなく、1年以内に7割破局するという高校生カップル(なんて世知辛い初回冒頭ナレだw)
に至るかどうかの論点なんですよね。

やっぱり八奈見さん?と思い直しつつ、
もういっそ妹の佳樹に甘えて、お友だちいないんですねと憐れまれるモラトリアムに逃げ込みたい心境もw


【声優 4.0点】
八奈見杏菜役の遠野 ひかるさん、焼塩檸檬役の若山 詩音さん、
小鞠知花役の寺澤 百花さん。

“マケイン”たちの三者三様のボイスは目を瞑っていても判別できるレベルでキャラ立ち良好。

その中でも特に寺澤さんの陰キャ演技に感心させられました。
アニメ観ていると、相当、声を張り上げる元気キャラでも、セリフが聞き取れないシーンがあったりしますが、
小鞠の声に関しては、ボソボソ濁声でありながら、つぶやき一つに至るまで明瞭に聞き取れたのが凄いと思いました。

これは音響の調整による所も大きいのかもしれませんが。
寺澤 百花さん。昨年初レギュラーの新人ながら、中々侮れない声優さんです。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は、うたたね 歌菜氏。
基本は多彩な音で会話劇を下支えするミニマル・ミュージックに徹する。
が、ピアノやストリングスのアレンジが盛られた際は、
宮廷ファンタジーBGM並みに優雅かつ繊細で、
いつの間にかキャラ心情を視聴者のハートに注入されている油断ならないお仕事ぶり。

が、“BGM”として何より優秀だと感じたのが蝉の声などのSE。
夏は前半で終わってしまう本作ですが、
私の中では巡礼も相まって、青空が眩しい夏アニメとして記憶されるのだと思います。

OP主題歌は、ぼっちぼろまる「つよがるガール feat. もっさ(ネクライトーキー)」
冒頭から“負け”を連発し、遊んでいると思わせておいて、
歌詞世界では負けて強くなる“マケイン”の本懐を捉える良作アニソン♪

ED主題歌。
八奈見杏菜「LOVE2000」(hitomi)
焼塩檸檬「CRAZY FOR YOU」(Kylee)
小鞠知花「feel my soul」(YUI)
“マケイン”たちによる平成懐メロリサイタル。

その中でも八奈見さんの「LOVE2000」のカバー。
実写の豊橋市の背景に、セルアニメ制作でキャラを重ねて、8mmフィルムで撮影処理したというED映像。
「2013年9月29日のサザエさん以来、10年9か月ぶり」だという新作セルアニメがいっそう平成ノスタルジーを醸す。


【参考文献】(※1、※2)東愛知新聞「東三河のサブカルチャー③ 豊橋出身のラノベ作家 雨森たきびさん」

投稿 : 2025/04/26
♥ : 27
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